壁にぶつかる登場人物

今回も軽めの話です。

以前に『ジョン・レノンを信じるな』の分析をしたところで、主たる登場人物は大きく三つに分類できると、そんなことを書いたことがあります。
賛同してくださる方がいるかどうかは考えずに自説を展開していきますと、掲げた三つの分類は凡そ以下のとおりです。

  1. 現実からドロップ・アウトしてしまうタイプ

  2. 狂気の世界で行動してしまうタイプ

  3. 現実社会に向かって歩きだすタイプ

壁にぶつかった登場人物が迷い、悩み、類型に従って行動する小説が他にもあったような――と考えていると、『きみの知らないところで世界は動く』もそうなんですね。
主人公(ぼく)が3番なのはいいとして、あとの二人は――ジーコが1番、カヲルが2番でしょうか。
何とも言いようがありません。あまり分類したくはないというか......ザラリとした感覚が残ります。


さて、本題。

『世界の中心で、愛をさけぶ』はどうなのでしょうか?
主な登場人物が壁、それもどうしようもない壁にぶち当たるところまでは、上記二作品と共通しています。
サクは、アキは、祖父は、どこに分類されるべきでしょうか?

白状しますと、私には分類できませんでした。
全員が現実社会にきっちりと向きあっているような、そんな気がして。
実はサクは1番なんじゃないか。いや、アキこそ1番じゃないか。そんなことを考えていると、胸のヘンなところが痛くなってきます。

二人に思いっきり感情移入してしまった私としては、壁にぶち当たっても前を向いて生きていかなきゃなあ、と思った次第です。
人生について考えさせてくれる小説って、いいですね。