発行部数、321万部以上。
「日本出版史上もっとも売れた単行本」としてのタイトルホルダーが、この『世界の中心で、愛をさけぶ』です(2008年現在)。
この本がなぜ売れたのかを、小説の魅力とはまったく別の側面から分析される方が多くいらっしゃるということは、私も認識しております。
そして、認識しているだけではなく、私もそれらの方と同じ見解を抱いています。
セカチューは、純愛ブームやマーケティング戦略に乗っかった形で売れていった小説です。
「小説としての魅力」とはまったく別の観点から、セカチューはベストセラーのポジションを得るに至った、と断言します。
しかし、「だからセカチューはつまらないんだ」という意見に対しては、一言申し上げたいと思います。
上で述べたように、ベストセラーかどうかということは、小説の面白さ・つまらなさとは全く相関がありません。
どうか、先入観をすべて抜きにして、あたらめてセカチューと向き合ってはいただけないものでしょうか。
史上空前のベストセラーだということも、純愛ブームを形成したという事実も、すべて忘れて。
当の作者(片山恭一)は、セカチューブームに対して一貫して距離をおいた態度を取り続けた、といわれています。
これだけ売っておきながら何と失礼な、という批判もあるのでしょうが、裏を返せばセカチューブームが作者の意図せざるものであったことに他なりません。
これから何度となく解釈していくことになりますので、詳しい説明はここでは省きます。
しかし、これだけは言えます。セカチューは純愛小説でもなければ、恋愛小説ですらありません。
「日本出版史上もっとも売れた単行本」の言いたかったことは、果たして何なのでしょうか。
あらためて手に取って、もう一度読まれてみてはいかがでしょう。
posted with All Consuming at 2008. 4. 6
